企業危機管理について

リスクマネジメントと危機管理の違い

企業運営における対策事項としてよく使われるのが「リスクマネジメント」と「危機管理」という言葉です。

この2つは一見同じような内容に思えますが、実際には全く異なる対策が必要になります。

まず最も異なる点は「リスクマネジメント」がこれから起こりえるリスクについてさまざまに想定をし、それが起こらないように予めとっておくべき対策を決めるものであるということです。

一方の「危機管理」とは、実際に何らかの被害が会社に発生してしまった場合にどういった方法で危機を乗り切り、アフターフォローをしていくかということを決めるための方法です。

会社を襲うリスクの全てを想定し防ぐことができればそれに越したことはないのですが、例えば東日本大震災のような大規模な自然災害がオフィスの近隣で起こってしまったり、事件や事故に巻き込まれてしまったりというような場合にはあらかじめ予想して回避をすることはほぼ不可能でしょう。

「リスクマネジメント」と「危機管理」はどちらの方が重要ということではなく、同時並行的に想定をしてその時々に応じた柔軟な対応方法をとっていくことが求められます。

危機管理の分析と対応方法を考える

「リスクマネジメント」と「危機管理」は別物とは言いましたが、かといって完全に異なる種類のものというわけでもありません。

というのも起こりえるリスクを想定して防御方法を考えることの延長には、もしその防御がしきれなかった場合の危険の想定も含まれてくるためです。

企業を取り巻くリスクは「災害・事故」「経営」「政治・経済・社会」の三種類に分類ができます。

「災害・事故」については地震の他火災や浸水、竜巻や落雷といった気候によるものの他、交通事故や盗難事故、コンピューターウイルスへの感染などによる業務用機器の故障が含まれます。

「経営」でのリスクには、取引先や他の企業との訴訟や業務における法令違反、労務環境の改善命令や経営者などのスキャンダルが含まれます。

最後の「政治・経済・社会」のリスクとは、戦争や内乱に巻き込まれるリスクや、外交政策の影響における輸出入の制限、金利や為替の大幅な変動、またはネットやメディアでの風評被害・不買運動などが挙げられます。

それらの中には想定により防ぐことができるものもあれば、完全に予測不能なものもあります。

大切なのは「防ぐことができないから諦める」のではなく、起こりえる場合に対して何らかの対策をとっておくということです。

危機対応は迅速さが決め手

これまで企業の不祥事として伝えられてきた事例はいくつかありますが、その後の対応によってかなり長期的な影響が異なっていることに気が付きます。

情報漏洩や不正会計、産地偽装、異物混入などいくつかの事例のうち、早期に対応ができていた企業ほどのちの業績への影響が少なく、不祥事が起こった状態から回復したあとの業績はむしろ改善するといった傾向が見られます。

反対に不祥事が起こったあともその全容を明らかにせず隠蔽をしようとしたことがわかった場合にはますます企業としての信用を損ね、一気に経営不信となってしまうようなことも起こっています。

危機管理で何よりも大切なのがスピード感と、客観的に納得できる解決法を提案するということです。